トップ
>
市井人
>
しせいじん
ふりがな文庫
“
市井人
(
しせいじん
)” の例文
などと、貧乏人に金を貸して、萬兩分限にでもならうと言ふ金右衞門に取つては、錢形平次も、貧乏な一
市井人
(
しせいじん
)
でしかありません。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
不断はまことに素直な
市井人
(
しせいじん
)
として、積極的な現世主義者として、また数多い家族の善良な扶養者としてあけくれ送つてゐる。
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
あの、微笑の、
能面
(
のうめん
)
になりましょう。この世の中で、その発言に権威を持つためには、まず、つつましい一般
市井人
(
しせいじん
)
の家を営み、その日常生活の形式に於いて、無慾。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
見張の男の
死貌
(
しにがお
)
はまことにおだやかであったけれども、人間のあらゆる秘密を解き得て死んで行った者の
貌
(
かお
)
ではなかった。平凡な、もはや兵隊でない
市井人
(
しせいじん
)
の死貌であった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
当然風雅の間に
歯
(
よわい
)
せられなかった
市井人
(
しせいじん
)
の以前の生活を、古い文芸の偶然なる記録の中から、探し尋ねてみようとした熱情は多とすべきであるが、なおその題目の都府に偏し
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
この一
市井人
(
しせいじん
)
のこれまでの長い一生、震災で私の母を失ってからの十何年かの
淋
(
さび
)
しい独居同様の生活、ことに病身で、殆んど転地生活ばかりつづけていた私を相手のたよりない晩年
花を持てる女
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一
市井人
(
しせいじん
)
として、八十八の老婆で死んだのだが、手習師匠へもってゆく、お彼岸の
牡丹餅
(
ぼたもち
)
をお
墓場
(
はか
)
へ埋めてしまったのから運命が定まったのだといえば、人間の一生なんて実に変なものだ。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
市
常用漢字
小2
部首:⼱
5画
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“市井”で始まる語句
市井
市井匹夫
市井無頼
市井風
市井巷間
市井点綴
市井裏店
市井遊侠