巨浪きょろう)” の例文
怒濤はふたたび甲板に打ち上げ来って、巨浪きょろうは余を呑み去らんとす、風さえ余を吹飛ばさんとす、余はあまりの恐ろしさに堪えず、思わず船底に逃げこめり。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
だが、ただ一ようにほうはいたる巨浪きょろうが、無辺むへんに起伏するのを見るばかりで、何者の影も見あたらなかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
海は漫々まんまんとして藍よりも濃く、巨浪きょろう鞺鞳とうとうとして岸を打つ。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
思うに余が気絶せし瞬間船に大震動を来せしは、海底噴火山の破裂のため、驚くべき巨浪きょろうが船上に落来りしか、しからずば船が大龍巻にでも巻き込まれ、甲板上の海賊等は
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
その他の海賊等は云うまでもなく巨浪きょろうに呑み去られしものならん。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)