岩戸いわと)” の例文
ただ一人、岩戸いわとにいる大蔵種直たねなおが伺候しているだけである。かつて平家の全盛時代に恩を受けた武士たちも、落目の平家には冷たかった。
そのあとは、『ウサギは三十ネズミは六十岩戸いわとの奥をさぐるべし』とでも読むのでしょう。
大金塊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
フトダマの命がこれをささげ持ち、アメノコヤネの命が莊重そうちよう祝詞のりととなえ、アメノタヂカラヲの神が岩戸いわとかげに隱れて立つており、アメノウズメの命が天のカグ山の日影蔓ひかげかずら手襁たすき
「アハハハ。これあ愉快だ。裸一貫のお酌はあま岩戸いわと以来初めてだろう」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
天皇はこの頃、岩戸いわとの少卿大蔵種直の家を仮の御所としていた。人々の家も野や田の中に散在する始末であるから、さながら大和の十市とおちにいるような感じである。