岐道えだみち)” の例文
次に少しく岐道えだみちにそれるが、白簀雲の流れる上層の世界が何故このように気温の低いところであるかという理由を一言述べておく必要があろう。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
燿子の指さす方を見ると、恐しい勢で隧道トンネルの入口から入って来る水の大量が、広間ホールの前で一度淀んで、右手の大きい岐道えだみちへ静かに静かに流れて行っているのです。
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ゆうして、そこを下れば、地底の闇に、魑魅魍魎ちみもうりょううごめく地獄巡り、水族館。不気味さに、岐道えだみちを取ってけわしい坂を山越しすれば、その山の頂上から、魂も消しとぶ逆落さかおとしの下り道。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「お兄様、大きな岐道えだみちがあってよ」
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)