山地やまぢ)” の例文
風もなく、日は、山地やまぢに照り付けて何処からともなく蝉の声が聞えて来る。夏蜜柑の皮を剥きながら、此の草葺くさぶき小屋の内を見廻した。年増の女が、たゞ独り、彼方で後向になって針仕事をしていた。
舞子より須磨へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
山地やまぢに立つ一本薄いつぽんすすきのように