山出やまだし)” の例文
彼の思想は、人間の暗黒面に出逢つて喫驚びつくりする程の山出やまだしではなかつた。かれの神経は斯様に陳腐な秘密をいで嬉しがる様に退屈を感じてはゐなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一朝山出やまだしのゼブラやドーをいかほど急いで仕込んだって、競走の見込み絶無ならずやとはすこぶる名言で、獣畜の上のみでなく、人間教育の上にも、大いに参考になるようだ。
二十世紀の日本に生息する彼は、三十になるか、ならないのに既に nilニル admirariアドミラリ の域に達してしまった。彼の思想は、人間の暗黒面に出逢って喫驚びっくりする程の山出やまだしではなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)