屯田兵とんでんへい)” の例文
そのほとんどが強制移民であればなおのこと——あなた方はちがいますよ、先ずサッポロを中心に、兵農兼備の屯田兵とんでんへいを養わねばなりません
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
というよりはむし粗壁あらかべのままで——ちょうど今時、屯田兵とんでんへいの宿舎や、ドイツ人の移民の住居に建てられているような家だ。
いずれもかなり不穏なかおつきをしながら、おのおの両岸の法螺の鳴っている根拠を目指して集まり寄るのは、非常召集の合図を聞いた屯田兵とんでんへいのようです。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
試みに、この戦争に参加した陸軍軍人およそ五万二百余人、屯田兵とんでんへい六百余、巡査隊一万千余人、軍艦十四隻、海軍兵員およそ二千百余人と想像して見るがいい。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
維新政府が大きく分裂した明治七年から士族屯田兵とんでんへい制度を布いたのは、七年前「官軍」の主力となった西部諸藩から新たな内乱が起るのに備える一石二鳥の妙策であった。
わたくしの母は源三郎が台所で血まみれになった顔を洗っていたのを今なお記憶していると言われた。維新の後川田源三郎は北海道に赴き屯田兵とんでんへいとなっていたという事である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
屯田兵とんでんへい制度をつくり、兵をして田を作らせ、放牧に努めさせた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屯田兵とんでんへいの制定はまだ一歩も進んでいない有様だ。だから、つい手近な士族たちに堀大主典の目が行ったのも無理はない。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
兵部省はごたごたしとるし、金もなし、そこでわれらが買い取っておいた、予定の屯田兵とんでんへいのためこれを厳重に保管して貰いたい、そうして、だ、屯田兵士の編制の成るまで
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)