小濁ささにご)” の例文
小濁ささにごりに濁ると思うと、ずっと深さが増して、ふうわり草の生えた土手へあふれるんだがね、その土手が、城趾しろあとほりの石垣らしくも見えれば、田のあぜのようでもあるし、沼か、池の一角のようでもある。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その小濁ささにごりが、吉次には、泉の底よりもよく透いて見える。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)