小沼この)” の例文
頂上には大小二の火口湖がある、大は大沼おおの、小は小沼このと呼ばれている。大沼は周囲一里半、小沼はわずかに八、九町であるに過ぎない。
赤城の山頂には火口原湖として大沼おの小沼このと二つの湖水があった。頃はいつの頃か定かに判らないが、山麓の村の長者の家で十六になる美しい一人娘があった。或る時しきりに赤城の登山を望んだ。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大沼おおのは中央火口丘である地蔵岳の北麓に、小沼このは其東南麓で長七郎山の北に在る。赤城の氷は大沼から切り出すもので、二十年も前の冬の大洞はなかなか賑かであった。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)