小木おぎ)” の例文
享和二年(西暦一八〇二)十一月十五日佐渡大地震の日に、広島某という人が、小木おぎの町で天候を見るため、船頭と共に丘に登った。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
越州の三国みくにと、佐州の小木おぎと、羽州うしゅうの酒田とが、船箪笥を造った三港であることは前から聞いていた。だがうつる時が需用を消した。
思い出す職人 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
せめてと云うので西春日井郡小木おぎの里に政秀寺という菩提寺を建て寺領二百石を附した。(後に清須に移し今は名古屋に在る)
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
是などは新潟の次のみなと酒田さかたとか新湊しんみなととか、能登のと小木おぎ宇出津うしつとかの歌であろう。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
佐渡には、もう一つ、小木おぎという町もある筈だ。けれども、小木までには、またバスで、三時間ちかくかかるらしい。もう、どこへも行きたくなかった。用事の無い旅行はするものでない。
佐渡 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それよりもむしろ竹細工の仕事の方が、この島の産物として認められてよいでありましょう。幕末頃、即ち千石船の出入りが盛であった頃、小木おぎの港は船で用いる小箪笥こだんすを作るので有名でした。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
佐渡佐渡郡小木おぎ町大字江積
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)