尋常人ただびと)” の例文
前なるは手に錫杖しゃくじょうをついた一癖ひとくせありげな偉丈夫いじょうふ。後ろなるは、頭に宝珠瓔珞ほうじゅようらくまとい、頂に肉髻にくけいあり、妙相端厳みょうそうたんげんほのかに円光えんこうを負うておられるは、何さま尋常人ただびとならずと見えた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
天狗てんぐのような力と早わざ、よも、尋常人ただびとではございますまいよ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その涼やかにして射る如き眼光も尋常人ただびととは思われなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)