寝飽ねあ)” の例文
兼太郎は炬燵こたつに火を入れて寝てしまおうかと思ったが今朝は正午ひる近くまで寝飽ねあきたまぶたの閉じられようはずもないので、古ぼけた二重廻にじゅうまわし引掛ひっかけてぷいと外へ出てしまった。もとより行くべき処もない。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)