寝台ベツド)” の例文
旧字:寢臺
寝台ベツドの様子で見ると、一刻前に起き出て、取り散らかつたまゝの様子だつたから、直ぐに現はれるであらう——何時も彼女は自分で寝具を
風媒結婚 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
礼子 あらまあ、さう云へば、お兄さまの寝台ベツドは、うちが掠奪しちやつたわけね。
歳月 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「どうぞ」と云ひながら椅子をすゝめた儘、自分は寝台ベツド向側むかふがはまはつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
寝台ベツドに倒れたまゝ稍暫らく風に吹かれながら空を見あげて歌などうたつてゐる様子であつたが、間もなく起きあがるとタオルを羽織つてバスへ出て行つた。
風媒結婚 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「僕は今夜、かうして起きてゐるから、君、その寝台ベツドへやすみたまへ」
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
寝台ベツドの上にいた蒲団を見ると真白まつしろである。うへへ掛けるものも真白まつしろである。それを半分はんぶはすぐつて、すその方があつく見える所を、ける様に、女は窓をにして腰を掛けた。足はゆかに届かない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その上窓の横幅と寝台ベツドの長さが殆ど同じであるから、その寝相までが手にとる如く見えるのである。
風媒結婚 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
慌てて寝台ベツドを降りると、夜着ピヂヤマの上に外套を羽織つて、お茶の仕度にとりかかつた。
海路 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)