寒詣かんもう)” の例文
それでも正月十五日より二月十五日に至る大寒の季節をしのいでの寒詣かんもうでに続いて、ぽつぽつ祈願をこめに来る参詣者が絶えない、と言って見せるのも主人だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
宮下の主人は馳走ちそうぶりに、風呂ふろでも沸かそうから、寒詣かんもうでや山開きの季節の客のために昔から用意してある行者宿の湯槽ゆぶねにも身を浸して、疲れを忘れて行けと言ってくれた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)