宮城きゅうじょう)” の例文
今でも彼は、毎朝営舎えいしゃで目をさますと、まず真先まっさき宮城きゅうじょう遥拝ようはいし、それから「未来の地下戦車長、岡部一郎」と、手習てならいをするのであった。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「真相はまだはっきりしないがね。とにかく宮城きゅうじょうのまわりを軍隊がとりまいていて、あの辺の交通が自由でないそうだ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
笑いは教室きょうしつをゆるがし、学校のそとまでひびいていったほどだった。東京、宮城きゅうじょう、などという声がきこえても、仁太はがてんのゆかぬ顔をしていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
そんなわけで、なまじっかなところではとてもあぶないので、大部分の人は、とおい山の手の知り合いの家々や、宮城きゅうじょう前の広地ひろちや、芝、日比谷ひびや上野うえのの大公園なぞを目がけてひなんしたのです。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「あれが丸ビル、あの向うが宮城きゅうじょうやで」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)