宇治拾遺うじしゅうい)” の例文
舞台ではそのとき、老練な田楽法師が現れて、宇治拾遺うじしゅういから取った“ふぐり神楽かぐら”を演じて、満場の男女を笑殺していた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古きは『今昔こんじゃく物語』、『宇治拾遺うじしゅうい』などより、天明ぶりの黄表紙きびょうし類など、種々思ひ出して、立案の助けとなせしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
それを記している宇治拾遺うじしゅういの巻十二の文は、ここに抄出するさえいまわしいから省くが、虎関禅師は、出麁語しゅっそごの三字きりで済ませているから上品ではあるが事情は分らぬ。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あの今昔こんじゃく物語や宇治拾遺うじしゅうい物語に出ている有名な逸話は、多分その頃の出来事だったのであろう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
小林君の家へゆき着いてから、わたしは宇治拾遺うじしゅうい物語にあった絵仏師の話を思い出した。彼は芸術的満足を以って、わが家の焼けるのを笑いながちながめていたと云うことである。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
宇治拾遺うじしゅういにいう
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)