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存候
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ぞんじさふら
愚なる者の癖に人がましき事申上候やうにて、誠に
御恥う
存候へども、何とも何とも
心得難く
存上候は、
御前様唯今の御身分に
御座候。
明後日は猶重くも
相成可申、さやうには候へども、筆取る事
相叶ひ候間は、臨終までの胸の内御許に通じまゐらせ
度存候へば、
覚束無くも何なりとも
相認め
可申候。
私事恥を恥とも思はぬ者との御さげすみを
顧ず、先頃
推して
御許まで
参し候胸の内は、なかなか御目もじの上の
辞にも尽し
難くと
存候へば、まして廻らぬ筆には
故と何も
記し申さず候まま