孔家こうけ)” の例文
「では楊志、何かほかに、策はねえか。この武松とすれば、どうしても、孔家こうけ兄弟の恩にここで報いてみせねばならん」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子路の仕事は孔家こうけのために宰としての地を治めることである。衛の孔家は、魯ならば季孫氏に当る名家で、当主孔叔圉はつとに名大夫のほまれが高い。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
かくて武松は孔家こうけにひきとめられていること一週日ほどのうち、宋江も近くこの家の客分を辞して他県へ移るつもりだという身の上を聞かせられた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔家こうけの恩を思う人に、もうひとり宋公明そうこうめいがあるといったね。どうだ、孔亮こうりょうさんをここから急遽、梁山泊りょうざんぱくに使いにやる——。そして云々しかじか事情わけを訴える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)