威能いの)” の例文
十二月十五日には二人目ににんめの妻同藩留守居役百石比良野文蔵ひらのぶんぞうむすめ威能いのが二十四歳できたり嫁した。抽斎はこの年二十五歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然るに貞固は姉威能いのの跡に直る五百だからというので、五百を姉と呼ぶことにした。貞固の通称は祖父と同じ助太郎である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
二人ににん目の妻威能いの怜悧れいりで、人を使う才があった。とにかく抽斎に始てアンチパチイを起させたのは、三人目の徳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)