好悪かうを)” の例文
旧字:好惡
更に人格の深処に根ざした、我々が一生の一大事である。純を尊び雑をいやしむのは、好悪かうを如何いかんを超越した批判ひはん沙汰さたに移らねばならぬ。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
皆なそこまで入り得ない中に、或はその好悪かうをに、或はその修養に、或はその年齢に捉へられて、平凡な、常識的な考へ方に落ちて行つて了ふやうである。それでは、とても本当の事は分らない。
存在 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
いや、それらの人々に対する僕の好悪かうをを示したものである。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)