女鹿めじか)” の例文
このほど大王何処いずくよりか、照射ともしといへる女鹿めじかを連れ給ひ、そが容色におぼれたまへば、われちょうは日々にがれて、ひそかに恨めしく思ひしなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
鈴慕れいぼきょくつまを恋う女鹿めじかの想いを憐々れんれん竹枝ちくしのほそい孔から聞くような鈴慕の哀譜であった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一 女鹿めじかたづねていかんとして白山はくさんの御山かすみかゝる〻
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一頭の女鹿めじかを見出し、曹丕の一矢が、よくその逸走を射止めた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)