天誅組てんちゅうぐみ)” の例文
「どうも君は自信家だ。剛健党ごうけんとうになるかと思うと、天祐派てんゆうはになる。この次ぎには天誅組てんちゅうぐみにでもなって筑波山つくばさんへ立てこもるつもりだろう」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さあっ、大変じゃっ、見たか、聞いたか、たった今出た瓦版かわらばんじゃ、瓦版じゃ。大和五条の天誅組てんちゅうぐみが、下火したびと見えたら又しても乱が興った。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
これら浪士の一行が、この後、中山忠光ただみつを奉じて旗上げをした「天誅組てんちゅうぐみ」の卵であることは申すまでもありません。
とうとう、新しい時代の来るのを待ち切れないような第一の烽火のろしが大和地方に揚がった。これは千余人から成る天誅組てんちゅうぐみ一揆いっきという形であらわれて来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
てんかわというところでの大敗、藤本鉄石ふじもとてっせきの戦死、それにつづいて天誅組てんちゅうぐみの残党が四方への離散となった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あなたがなんですか、大和の十津川のあの天誅組てんちゅうぐみの騒動へ加入なすったのですか」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
第一には、天誅組てんちゅうぐみの貼紙をした立札を引っこぬいて、この川の中へほうり込みました。第二には、金助から侮辱されて腹立ちまぎれに、頭からかぶって金助を、大川の真中へ抛り込んだこともあります。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ああ、あの天誅組てんちゅうぐみの騒動に、あなたもお出になりましたか」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)