大黒帽だいこくぼう)” の例文
おじいさんの大きな大黒帽だいこくぼうをかぶり、そして古いマントにくるまって、まるで人形のようにまんまるくなって、太郎は出かけました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
まだ小学校にいた時分、父がある日慎太郎に、新しい帽子ぼうしを買って来た事があった。それは兼ね兼ね彼が欲しがっていた、ひさしの長い大黒帽だいこくぼうだった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ボイナというぽっちのついた大黒帽だいこくぼう従弟いとこみたいな物をいただき、もっと気取ったやつはカパのなかにギタアを忍ばせたりして、深夜にセニョリタの住む窓の下へ出かける。
コスモはなんのかざりもない色のあせたくろふくをつけ、まんなかにすりきれたふさのついてる大黒帽だいこくぼうをかぶり、木靴きぐつをはいていました。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
太郎はマントも大黒帽だいこくぼうも手袋もたびも、そこに放りだして、上がってきました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)