大観たいかん)” の例文
私の案内された部屋は、旅館のうちでも、いい方の部屋らしく、床には、大観たいかんの雀の軸がかけられていた。私の服装がものを言ったらしいのである。
断崖の錯覚 (新字新仮名) / 太宰治黒木舜平(著)
宋の大観たいかん年中、都の医官の耿愚こうぐがひとりの妾を買った。女は容貌きりょうも好く、人間もなかなか利口であるので、主人の耿にも眼をかけられて、無事に一年余を送った。
例えば大観たいかん栖鳳せいほう等のいわゆる新画は見誤らない程度の鑑定心眼を持っていても、ウンと昔に溯って三百年、五百年前の古書画とか、また千年も前の仏画、建造物となると
大観たいかん氏の四枚の絵は自分には裾模様でも見るようで、絵としての感興が沸いて来ない。氏はいつでも頭で絵を描いているのを多とするが、しかし頭と心臓と両方が出ないとどこか物足りない。
二科会その他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳せいほう大観たいかんのうまさではない。靫彦ゆきひこ古径こけいでもない。芳崖ほうがい雅邦がほうでもない。華山かざん竹田ちくでん木米もくべいでもない。呉春ごしゅんあるいは応挙おうきょか。ノー。
河豚のこと (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、栖鳳せいほう大観たいかんの美味さではない。靫彦ゆきひこ古径こけいでもない。芳崖ほうがい雅邦がほうでもない。崋山かざん竹田ちくでん木米もくべいでもない。呉春ごしゅんあるいは応挙おうきょか。ノー。
河豚は毒魚か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)