大蛇うわばみ)” の例文
突然いきなり大蛇うわばみ天頭あたまでもあらわれるかと思うと、そうじゃアありません。これを預けたさに、と小さな声で謂いましたね。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大蛇うわばみでも居てねらうか、と若い者ちと恐気おじけがついたげな、四辺あたりまがいそうな松の樹もなし、天窓あたまの上から、四斗樽しとだるほどな大蛇だいじゃの頭がのぞくというでもござるまい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
晃 これか、谷底にめばといって、大蛇うわばみに呑まれた次第わけではない、こいつは仮髪かつらだ。(脱いで棄てる。)
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)