大番屋おおばんや)” の例文
「強情な奴で、なかなか素直に口をあかねえそうですが、伊豆屋も旦那方もおなじ見込みで、もう大番屋おおばんやへ送り込んだということです」
半七捕物帳:45 三つの声 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町木戸まちきど大番屋おおばんや召捕めしとられた売女の窮命されている有様が尾にひれ添えていかにもむごたらしく言伝えられている最中さいちゅうである。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その申し立てにいつわりがありそうにも見えないので、六三郎は単に火事場かせぎとして大番屋おおばんやへ送られた。血にみた毛皮は六三郎の家の縁の下から発見された。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大番屋おおばんやへ送られて三人は更に役人の吟味を受けた後に、新次郎は重罪であるからすぐに伝馬町てんまちょうの牢屋へ送られた。お直は宿許やどもとへあずけられ、宇吉は主人方へ預けられた。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)