“大濠”の読み方と例文
読み方割合
おおほり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よいはこのときに及んでようやく春情を加え、桜田御門のあたり春意ますます募り、うしふち武蔵野むさしのながらの大濠おおほりに水鳥鳴く沈黙しじまをたたえて、そこから駕籠は左へ番町に曲がると
城内の様子を探りおる……という目明し共の取沙汰じゃ。コチラも抜からず足を付けて見張らせている。イザとなれば一人洩らさず大濠おおほり溺殺ふしづけにする手配りを致しているがのう……油断も隙もならぬ。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)