大湫おおくて)” の例文
あの公家衆くげしゅうの御通行は四月の八日でしたから、まだこんな改革のお達しの出ない前です。あの時は大湫おおくて泊まりで、助郷人足六百人の備えを
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
京都から大湫おおくてまで、半蔵らはすでに四十五里ほどの道を歩いた。大湫は伊勢参宮または名古屋への別れ道に当たるひなびた宿場で、その小駅から東は美濃みのらしい盆地へと降りて行くばかりだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)