大息たいそく)” の例文
この時千思万考せんしばんこう佳句を探るに、天の川の趣はついに右三句に言ひ尽されて寸分の余地だもなき心地ここちす。すなわち筆をなげうっ大息たいそくして曰く、みなん已みなんと。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「黒い方がいいだろう。なまじ白いと鏡を見るたんびに己惚おのぼれが出ていけない。女と云うものは始末におえない物件だからなあ」と主人は喟然きぜんとして大息たいそくらした。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
千々岩は再び大息たいそくしつ。「こんな時にゃ実家さとからちと気をきかすものですが、病人の娘を押し付けて、よくいられるですね。しかし利己主義が本尊の世の中ですからね、叔母さん
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
大和は瞑目めいもくして大息たいそくせり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼は喟然きぜんとして大息たいそくしていう。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)