多聞天たもんてん)” の例文
須弥しゅみ三十三天をかたどって、その主天とし、以下四天王を一楼一楼に組み、その一つを多聞天たもんてんの閣とよび、多聞櫓たもんやぐらを築き出している。総五重層の楼である。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうやって僕がいつまでもそれから目を放さずにいると、北方の多聞天たもんてんの像を先刻から見ていたA君がこちらに近づいてきて、一しょにそれを見だしたので
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
吉祥天はバラモン教の美福の女神シュリイで毘沙門天びしゃもんてん多聞天たもんてん)すなわち富神クヴェラを夫としている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)