外縁ヴエランダ)” の例文
装飾のない室の外は葭簀よしず日避ひよけをした外縁ヴエランダになつてゐて、広々した海湾の景色は寝台の上によこたはりながら一目ひとめ見晴みはらすことが出来る。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
枕元にひゞく上草履うはざうりの音もなく、自分は全く隔離されたる個人として外縁ヴエランダの上なる長椅子に身をよこたへ、ほしいまゝなる空想に耽けることが出来た。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
まる二日間をばだ茫然とホテルの海に臨んだ外縁ヴエランダの上に過してしまつた。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)