売揚うりあげ)” の例文
悪阻つわりなどのために、夏中ややもするとお島は店へも顔を出さず、二階に床を敷いて、一日寝て暮すような日が多かったが、気分の好い時でも、その日その日の売揚うりあげの勘定をしたり、店のものと一緒に
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
乾燥が出来ないために、折角みのったものまで腐る始末だった。小作はわやわやと事務所に集って小作料割引の歎願をしたが無益だった。彼らはあんじょう燕麦売揚うりあげ代金の中から厳密に小作料を控除された。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)