まがき)” の例文
われは數畝の葡萄圃を隔てゝ、始て熔巖を望み見たり。數間すけんの高さなる火の海はまがきを掩ひいへを覆ひて漲り來れり。
じつけられた辮子はまがきの方へと引張られて行って、いつもの通りそこで鉢合せが始まるのだ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
捕卒は縄つきのままで許宣を道案内にして双茶坊へ往って、秀王墻の前になった、高いまがきに囲まれた黒い楼房ろうぼうの前へ往った。それはもう古い古い家で、人が住んでいそうには思われなかった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その原因はつまり自分の裸にあるので、彼は破れ袷がまだ一枚残っていることを想い出し、それを引掛けて横になって眼を開けてみると太陽はまだ西のまがきを照しているのだ。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)