“塙隼人”の読み方と例文
読み方割合
はなわはやと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔の塙隼人はなわはやとに返って十手をつかみ、あくまで闘うという宣言をしたからには、悪党どもも自衛上、わしを殺そうとするのは当りまえじゃ。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一世の名探偵といわれた塙隼人はなわはやとも、老ゆれば駄馬に劣る麒麟きりんにもひとしい。——ははあ、老先生もひどく耄碌もうろくをしなされたわい、とここへ訪ねてきたのが今さら悔やまれてくる。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
捕縄とりなわをとって三十年、目明めあか小頭こがしらの下役から、同心どうしん与力よりきと出世して、歴代の江戸町奉行をたすけ、その非凡な大眼識と巨腕は、近代稀れな鬼才と称された名探偵——塙隼人はなわはやとであった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)