ざかい)” の例文
ひとみをらすと、京都の町も、暁闇ぎょうあんの底に、見えないことはない。だが、老坂や三草みくさの丹波ざかいをふりむくと、まだ鮮明な星が数えられた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「阿波へお渡りなさろうとは、何ぞよほどな御事情でござりますか。ご存じの通り、御領地ざかいは、関のおあらためがきびしい国で、めったな者は、みんな船から突っ返されます」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「向うに見える森を抜けると、お屋敷ざかい高塀たかべいがあります。そのどんづまりの藪畳やぶだたみで」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)