“垂氷(つらら)” の例文
私は少し風邪(かぜ)の気味だといって床にいましたが、横目で見上げると、樋(とい)のない藁葺(わらぶき)屋根の軒から、大小長短幾つもの垂氷(つらら)の下っているのが、射(さ)し初めた日に輝いて、それはそれは綺麗です。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
垣(かき)のあたりにはむら消えの雪がたまり、今もまた空が曇ってきて小降りに降る雪もある。そのうち日が雲から出て軒の垂氷(つらら)の受ける朝の光とともに人の容貌(ようぼう)も皆ひときわ美しくなったように見えた。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)