地方ところ)” の例文
『そりゃ、なるほど地方ところによっては、実に変梃な、滑稽きわまる人間もあるもので、それに、破廉恥漢だってざらにあろうさ!』
行つても/\知らん地方ところだ。低地ひくちが高台になつて瀬の早い川が逶迤うね/\と通つてゐる処もあつた。烟突けむだしも無い小舎こやや木の枝を編むでこしらへた納屋があとになつて、立派な邸や石造せきざうの建物が見える。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
その間の退屈紛たいくつまぎれに、彼はAを一つかついでやろうとたくらんだ。これは町を歩いている時、一軒の写真屋の店先でふと思いついた悪戯いたずらで、彼はその店から地方ところの芸者の写真を一枚買ったのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おそろしく器用に編んだ革鞭を手にして地方ところの馬をつけた三頭だての橇に乗つて通りかかつたとしたら、まさしくその妖女ウェーヂマを見つけたに違ひない