地下人じげにん)” の例文
またその許しをおおやけに得たものは、士籍にあっては豊後岡藩ぶんごおかはんの小川弥右衛門やえもん地下人じげにん(平民)にあっては伊那小野村の庄屋倉沢義髄よしゆきをはじめとする。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
著名なる“天皇側近の三房”の一人宣房のぶふさちゃく、中納言藤房のまえでは、勅ならずとも、はるか下賤げせん地下人じげにんだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数寄、つまり趣味風流の人でない点が、雅会の空気のなごやかさを破るのがお気に召さなかったらしくあるのである。いわば名人気質の頑固さが地下人じげにん的であって、宮廷的でないのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)