四竹よつだけ)” の例文
ある者は四竹よつだけでアメリカマーチの調子に浮かれ、ある者は悲壮な声を張り上げてロングサインを歌っている、中にはろれつの回らぬ舌でくだを巻いている者もある
遺言 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
門附の娘はわたくしが銀座の裏通りで折々見掛けた時分には、まだ肩揚かたあげをして三味線を持たず、左右の手に四竹よつだけを握っていた。髪は桃割ももわれに結い、黒えりをかけたたもとの長い着物に、赤い半襟。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
乱れ打つ四竹よつだけの拍子につれて少しく開く綾羅りょうらとばり