嘘坐うそずわ)” の例文
鏡の前へ一寸ちよつと嘘坐うそずわりして中をのぞくと、今の紫の襟が黒くなつた顔の傍に、見得みえを切つた役者のやうに光つて居た。良人をつとが居ないのだからと鏡子は不快ななげやりごゝろおこして立つた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)