嘉代かよ)” の例文
「後家のお嘉代かよというのが荒物屋をやって、内々は高利の金まで廻しているという名代の因業いんごう屋だろう」
嘉代かよ(嫂)には、吉田某というものがあったことにして置くと書いてよこした。その某は例の人を捨てて行方ゆくえ不明であるということにして置くと書いてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「うるさい奴だな。——お嘉代かよを刺して二百九十二兩を盜つた曲者なら分つて居るぢやないか」
嘉代かよ(節子の母)もね、なんだか気の弱いことを言ってるから、そんなことじゃダチカン。兄弟が互いに助け合うというのはわれわれ岸本の家の祖先からの美風ではないか。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
嘉代かよ(嫂の名)、お前の方の書付も叔父さんに出して見せるといい」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「後家のお嘉代かよはそんなにけちだつたのか」
嘉代かよさん」
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)