トップ
>
嗾
>
そそのか
ふりがな文庫
“
嗾
(
そそのか
)” の例文
芝居気たっぷりの片手斬りに大向うを
唸
(
うな
)
らせようという
見得
(
みえ
)
から出たのでもなく、はしなく
嗾
(
そそのか
)
し得たり少年の狂——と春濤がうたった通りの
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「勘違いなんかするものですか。お妻が下手人でなきゃア、お妻に変な素振りをする釜吉とかいう下男を
嗾
(
そそのか
)
して、憎い和助さんを殺させたに違いありません」
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
白の頭上には何時となく
呪咀
(
のろい
)
の雲がかゝった。黒が死んで、意志の弱い白はまた例の
性悪
(
しょうわる
)
の天狗犬と交る様になった。天狗犬に
嗾
(
そそのか
)
されて、色々の悪戯も覚えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
裏ではこれだけの陰険な悪事を
企
(
たくら
)
んで伯爵を
嗾
(
そそのか
)
している殿下の方こそ、伯爵に十層倍し、二十層倍し、百層倍増した悪漢中の大悪漢であると、嬢は頬に血を上らせた。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
或いは兵馬さんをダシに使って
嗾
(
そそのか
)
しておられるのか、もう少し
手強
(
てごわ
)
い意見をして下されたら……お松はあまりの残念さに、つい人を怨んでみる気にもなりましたが
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
転宿
(
てんしゅく
)
や
直差
(
じきさし
)
(札差いじめに、旗本や御家人の人の悪いのが用いた手段)を父上が旗本仲間に
嗾
(
そそのか
)
したと思い込んで、少しばかりの落度を、支配の若年寄まで申出でたためで
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なかにはお君がお銀様を
嗾
(
そそのか
)
して、一緒に
駈落
(
かけおち
)
をしたのではないかと言っているものもありました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いつぞや拙者の宅で
様物
(
ためしもの
)
のあった時、集まる者にこの刀を見せてやりたいから、それで幸内を
嗾
(
そそのか
)
して、ひそかにそれを持ち出させた、それはお銀どの、そなたもよく御存じのはず……いや
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
第六天の神主の
鏑木甲斐
(
かぶらぎかい
)
という人が、かなり
飲
(
い
)
ける方で、道庵とも話が合うのだから、これから興に乗じて、その人を
嗾
(
そそのか
)
そうという企らみのように解釈するのも、余りに
穿
(
うが
)
ち過ぎているようです。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
はしなく
嗾
(
そそのか
)
し得たり少年の狂
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嗾
漢検1級
部首:⼝
14画
“嗾”を含む語句
使嗾
御使嗾
指嗾
使嗾者
嗾掛
示嗾