“嗟矣(ああ)” の例文
生残た妻子の愁傷は実に比喩(たとえ)を取るに言葉もなくばかり、「嗟矣(ああ)幾程(いくら)歎いても仕方がない」トいう口の下からツイ袖(そで)に置くは泪(なみだ)の露
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
頓(やが)て浮世の隙(ひま)が明いて、筐(かたみ)に遺る新聞の数行(すぎょう)に、我軍死傷少なく、負傷者何名、志願兵イワーノフ戦死。いや、名前も出まいて。ただ一名戦死とばかりか。兵一名! 嗟矣(ああ)彼(あ)の犬のようなものだな。