喧嘩いさかい)” の例文
いつもよく出るお今のことがもとで、それからそれへと、喧嘩いさかいことばが募って行った。時々花などにかこつけてふけっている、赤坂の女のことなども、お前の口から言い出された。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ジョン・バートンは夫として彼女が胸に描いた理想の人物とはいささか隔りがあったけれど、でもうすれば少くともきりなしに起る悴夫婦の喧嘩いさかいからは遠のくことが出来る。
目撃者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
姉妹の喧嘩いさかいはままあることじゃ。珍らしゅうもあるまい。時に今日ももう暮るるぞ。秋のゆう風が身にしみるわ。そちたちは奥へ行って夕飯ゆうままの支度、燈火あかりの用意でもせい。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そんな間違ったことはございません。喧嘩いさかいの種を蒔いたのはこの旦那衆です。静かに月を
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)