喝棒かつぼう)” の例文
峻厳である一方悟道ごどうの用心が慎重である。いたずら喝棒かつぼうなんぞと、芝居めいた振舞ふるまいにも出でない。そこにも好感が持たれる。殊にこの『正法眼蔵』は和文で物してある。
かれの喝棒かつぼうを食って、今日の更生を得た大岡市十郎——いまの越前守は、その後も、文通の上で、正覚しょうがくの道をたずね、身は市井の公吏と劇務の中にあっても、心は在家ざいけ居士こじ、鉄淵の弟子として
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつての日、疎石禅師の喝棒かつぼうに打ちひしがれた時のように。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)