喜多院きたいん)” の例文
「太郎どの、わすれたか、おん身は拙僧のひざの上であそんだこともあるはず。——喜多院きたいん天海てんかいじゃよ」
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
川越かわごえ喜多院きたいんに桜を観る。ひとえはもう盛りを過ぎた。紫衣しいの僧は落花の雪を袖に払いつつ行く。境内けいだいの掛茶屋にはいって休む。なにか食うものはないかと婆さんにきくと、心太ところてんばかりだと云う。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)