員弁いなべ)” の例文
「それがしは、織田家の臣、明智十兵衛というものだが、わが禅学の恩師で、員弁いなべ郡の持福寺におらるる勝恵上人しょうえしょうにんをお訪ねしてゆく途中である」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これから大泉原おおいずみはら員弁いなべ阿下岐あげきをかけて、大垣街道。岐阜へ出たら飛騨越ひだごえで、北国ほっこく筋へも廻ろうかしら、と富田近所を三日稼いで、桑名へ来たのが昨日きのうだった。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天平十六年の大安寺資財帳に、伊勢国三重郡采女うねめ郷十四町の内訳、開田二町五段未開田代十二町、同員弁いなべ宿野原しゅくのはら五百町、開田三十町未開田代四百七十町などとある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その中の一隊は、員弁いなべ川に添うて濃州街道を美濃の方へ探して行った。
乱世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「いかにも、おれたちは、員弁いなべ郡の土豪、庄司予十郎が手飼の者だが、汝はいったい何処の何者か。そして何処へ行くか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊勢員弁いなべ郡山郷村大字麻生田字楚里
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)