哀感あいかん)” の例文
何気ない、平凡へいぼんな、ひとときではあったけれども、しかし私は、あのような愛情のほのぼのとくすぶるような哀感あいかんにおそわれたことがなかった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
余はさながら不測の運命におそわれて悄然しょうぜんとして農夫の顔其まゝにものいわぬ哀愁に満ちた自然の面影にやるせなき哀感あいかんさそわれて、独望台ぼうだいにさま/″\の事を想うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)