咲蔽さきおお)” の例文
さし俯向うつむいたえりのほんのり白い後姿で、さばつまゆらぐと見えない、もの静かな品のさで、夜はただ黒し、花明り、土のいかだに流るるように、満開の桜の咲蔽さきおおうその長坂を下りる姿が目に映った。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)