和佐わさ)” の例文
和佐わさと云うのが、その娘の名であった。おえい婆さんの娘のおもとと云う人が市田なにがしと云う柏木附近の農家へ縁づいて、そこで生れた児なのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
十二日から道頓堀の浪花なには座に名人会といふのが開かれてゐる。長唄の孝次郎かうじらう、勝四郎、常磐津ときはづ和佐わさ、清元の家内やな舞踊をどり鹿島かしま恵津子——どれを見ても、格別名人らしい顔触でないのが愛嬌である。